TAP緊急時車椅子ユーザー用情報リーフレットには、車椅子の安全な使い方を教えるために必要不可欠な情報が記載されています。
まだ用意していなければ、TAP緊急時車椅子ユーザー用情報リーフレットをダウンロードし、印刷してください。
リーフレットを紹介する時には、本人に、内容は自身に関する以下のような重要情報であることを説明してください:
- 健康
- 移動
- 車椅子の手入れ

教習がうまくいくためには:
- 本人がすでに何を知っているのか、とりわけ過去に車椅子を持ったことがあるかどうかを確かめてください
- 説明し、やって見せてから、本人には練習させてください
- 経験豊富な車椅子ユーザーには、他の車椅子ユーザーへ教えてもらってください
- 新しい車椅子技能を学ぶ際は、介助者の参加を得るよう本人に奨めてください

優先的なフォローアップ
以下の場合には、優先的なフォローアップを依頼するよう本人に奨めてください:
- 褥瘡のサインが現れた場合
- 不快な場合
- 車椅子を使っていて安心できない場合
車椅子を受け取ったあと本人が別の場所へ移動する場合は、新しい場所で、車椅子サービスへ紹介・相談してもらえるかどうか尋ねるよう奨めてください。
車椅子の折りたたみ方と開き方
車椅子には折りたたみ式のものもあります。
車椅子を折りたたむ
- 車椅子を手前に傾け、向こう側の車輪2つを地面から浮かせます。
- シート (座面) を持ち上げます


バックサポート (背もたれ) には前方に折りたたむものもあります。

たたんだ車椅子を開く
- 車椅子のシートパイプを両手で押し下げ、車椅子を開きます
- シート (座面) をつかまないでください – 指を挟む恐れがあります!

動画を視聴し、車椅子の折りたたみ方と開き方を確認してください。
輸送する準備
車椅子を折りたたむと輸送に便利です。一部の車椅子は、車輪が着脱式です。これにより、車椅子の車への積み下ろしがやりやすくなります。
駆動輪は、着脱前にブレーキを解除してください。
質問
以下に述べる内容は正しいでしょうか、誤りでしょうか?
1. 駆動輪を取り外すには、ブレーキを解除する必要があります。
「正しい」が正解です!
駆動輪を着脱するには、ブレーキを解除する必要があります。
2. 駆動輪を取り付ける際には、必ず所定の位置に固定されていることを確認してください。
「正しい」が正解です!
駆動輪を取り付ける際は、必ず所定の位置に固定されていることを確認してください。
3. 所定の位置に固定されていない駆動輪は危険です。
「正しい」が正解です!
人が車椅子に乗っている時に車輪が脱落した場合、転倒し、重傷を負う可能性があります。
4. 駆動輪を所定の位置に固定する方法には、一通りしかありません。
「誤り」が正解です!
車椅子の駆動輪を固定する方法はさまざまです。すべての駆動輪が着脱可能でもありません。
必ず取扱説明書を読んで確認してください。
ライアンが、車椅子を折りたたんで車両に積む方法を実演する動画を視聴してください。
駆動輪を付け戻す際は、必ず元の位置でカチッと鳴るか固定されていることを確認してください。駆動輪が緩んでいると非常に危険です!
活動
二人一組で:
- ひとりは車椅子を輸送する準備のやり方を説明し、やって見せてください
- もうひとりに練習してもらってください
クッションが正しいことの確認方法
以下を確認してください:
- クッションの前端位置が、車椅子シート (座面) の前端と合っている
- クッションの上下が正しい
- カバーの位置がクッションに対して正しい
車椅子シート (座面) 上のクッションやクッションカバーの配置が正しくない場合、本人の褥瘡の危険を高める可能性があります。
必ず、車椅子の使用前に、クッションの位置を確認してください!

質問
以下のクッションに関する内容は正しいでしょうか、誤りでしょうか?
1. クッションカバーのクッションへのかけ方には、間違いがありえます。
「正しい」が正解です!
クッションカバーのかけ方を間違うと、クッションの効果に影響します。必ず、正しくかかっていることを確認してください。
2. クッションは、前後が異なる形状になっている場合があります。
「正しい」が正解です!
クッションには、前後が異なる形状になっているものがあります。必ず製造者の情報を確認し、正しく配置されていることを確認してください。
3. 車椅子のシート (座面) 上でクッションが滑らないことは重要です。
「正しい」が正解です!
車椅子は、座っている時やこいでいる時、クッションが滑らないと確信できなければなりません。
クッションカバーには、車椅子のシート (座面) へ取り付けやすいよう、底面に面ファスナーが付いているものもあります。車椅子がわのシート (座面) にも面ファスナーが付いていることを確認してください。
活動
二人一組で:
- ひとりはクッションカバーの着脱方法と車椅子への正しいクッション置き方を説明し、やって見せてください
- もうひとりに練習してもらってください
褥瘡の予防方法
皮膚に褥瘡のサインがないか点検する
褥瘡は、たちどころに発生・悪化する可能性がありますが、治癒には時間がかかります。
本人には、毎日、起床前と就寝前に皮膚を点検して、褥瘡を防ぐことが重要だと説明してください。
手鏡や携帯電話を活用してください。困難な場合は、家族や介護者に鏡を持ってもらったり、写真を撮って見せてもらうことができます。

活動
二人一組で、ひとりは横向きに寝そべります。
- ひとりは鏡を持ち、もうひとりに自身の臀部が見え、皮膚を点検できるように配置します
- もうひとりに、鏡の位置が正しいか確認してもらってください
圧力を緩和する方法
車椅子に座っている間に圧力を緩和することは、褥瘡を防ぐやり方の一つです。
各自に最適な方法を選んでください:
- 座骨に体重がかからないところまで前にかがみます。それを30秒間保持します


- 片側の座骨に体重がかからないところまで左右に傾きます。それを30秒間保持します


初めて学ぶ場合は、ひとり介助者を依頼しなさい。
動画を視聴し、横方向の除圧動作を試みる様子を確認してください。
体位変換
座る時間が長すぎると褥瘡の原因になります。本人には、1時間座るところから始め、徐々に増やすよう奨めてください。
横になって体位を変えると、腰や臀部にかかる圧力を逃がせます。


活動
三人一組で:
- それぞれの方法を説明し、やって見せ、練習してください
- 交代で、除圧動作を介助する練習をしてください
質問

ヴェルナを覚えていますか?
ヴェルナは細身でフレイル (虚弱) のため、動いたり体位を変えたりが困難です。
夫のレイフが、彼女の面倒を見ています。
1. ヴェルナには、どの種類のクッションを選びますか?
除圧クッションが正解です!
ヴェルナは細身かつフレイル (虚弱) で、動いたり体位を変えたりが困難です。彼女には褥瘡が発生・悪化する危険があり、除圧クッションによる特別な保護が必要です。
車椅子クッションは誤りです。
2. ヴェルナとレイフには、クッションについて何を教えますか?
当てはまる答えをすべて選んでください。
a、c、dを選んでいれば正解です!
クッションやクッションカバーの配置が不適切だと、本人に褥瘡が発生・悪化する危険を高める可能性があります。必ず、クッションとカバーの正しい配置を示してください。
b は誤りです。
プラスチックカバーがあると、クッションとカバーの機能が変化します。必ずプラスチックカバーは取り外してください。
3. 以下の技能の一覧に目を通してください。ヴェルナには何を教えますか?
当てはまる答えをすべて選んでください。
b、c、dを選んでいれば正解です!
ヴェルナとレイフには、両方の除圧方法を示し、最適な方をかれら自身で選択するよう奨めてください。
ヴェルナとレイフに、ヴェルナの腰と臀部にかかる圧力を逃がすための、ベッドでの体位変換の方法を示してください。
人目に触れない空間を設け、ヴェルナの皮膚のどこをどのように確認するかやって見せてください。ヴェルナとレイフが練習するところを観察し、必要なら訂正してください。
a は誤りです
ヴェルナとレイフに協力して、かれらが最適な除圧動作を選択するようにしてください。
車椅子のこぎ方
こぐ
より効果的にこぐための、3つのコツがあります:
- こぐ前に頭を前傾させる
- 長く、滑らかにこぐよう心がける
- ひとこぎごとに、腕の力を抜いて後ろに振り戻す

転回
転回するには、片手で前へ、反対側の手で後ろへこぎます。

動画を視聴し、車椅子のこぎ方を確認してください。
活動
二人一組で、協力して取り組んでください。
1. 地面に10メートル間隔で印を付けてください
2. 効果的にこぐ3つのコツを活用してください
3. 以下を行なうためには何回こいだか数えてください:
- 10メートル移動する
- 一回転、転回する
坂の登り下り方法
こいで坂を登り下りする
- 坂を登るには前にかがみます

- 坂を下るには後ろにもたれます

両脚を切断した人は、坂では車椅子が不安定になると感じるかもしれません。
キャスター輪が浮き上がる場合は、フットサポート (足台) に重りを追加して安定性を高めることができます。
坂の登り下りを練習する際には、自信が持てるまで、後ろに介助者を付けるよう奨めてください。
動画を視聴し、坂の登り下り方法を確認してください。
質問
坂を登っている時に休憩が必要になったら、どうすればいいでしょうか?
c を選択していれば正解です!
車椅子を横向きにしてからブレーキをかけるのが、坂道で安全に停止して休憩する方法です。
a と b は誤りです。
前傾姿勢で駆動輪を握りしめるのは大仕事で、休憩になりません。
坂道を登っている時に、後ろにもたれるのは危険です。車椅子が転倒する恐れがあります。
活動
三人一組で協力して取り組んでください。
- ひとりは、坂をこいで登り下りするやり方を説明し、やって見せてください
- もうひとりは、車椅子を使って坂を登り下りしてください
- あとひとりは、押し手に手を置いてすぐ後ろを歩いてください
交代で練習してください。
荒れ地での移動方法
駆動輪でバランスを保つように介助すると、本人の荒れた凹凸のある路面での移動が楽になる可能性があります。
経験を積めば、駆動輪でバランスを保つのはひとりでできるようになります。
荒れ地向けに設計された車椅子が役立ちます。

駆動輪でのバランスの取り方は、このモジュールでは教えていません。
この動画を視聴して、荒れ地の移動方法を把握してください。
この動画を視聴して、荒れ地で車椅子に乗った人の介助方法を把握してください。
活動
二人一組で取り組んでください。
1. ひとりは、本人が駆動輪でバランスを取りながら荒れ地を移動するやり方を説明して、介助します
- 本人が、バランスするところを見出してください
- 介助者には、つねに押し手を握っていてもらってください
2. もうひとりが練習します
コツ:本人は、膝の高さに意識を集中するとバランスが判りやすくなります!
振り返り
- 駆動輪の上で後ろに傾いた時、どう感じましたか?
- バランスしたと感じるところが判りましたか?
- 何が役に立ちましたか?
段差1段の上がり方
介助を伴って段差1段を安全に上がるには:
- 車椅子を、駆動輪を支点に後ろへ傾ける
- 駆動輪を転がして段差に着ける
- キャスター輪を段差の上に降ろす
- 駆動輪を回して段差に上げる
この動画を視聴して、車椅子利用者が段差1段を上がるのを介助する方法を把握してください。
階段の昇り降り方法
介助を伴って安全に階段を昇り降りするには:
- 後ろ向きに昇ります
- 前向きに降ります
- 「1、2、3、よいしょ」等カウントしながら、自分と介助者が同時に動くようにしてください
昇る
昇る時には駆動輪を後ろへこぎます。

介助者1人と階段を昇る

介助者2人と階段を昇る
降りる
ハンドリムを握りしめ、駆動輪をゆっくりと転がしながら1段1段降ります。

介助者1人と階段を降りる

介助者2人と階段を降りる
この動画を視聴して、介助者と階段を昇り降りする方法を把握してください。
まず後輪でバランスを取らないまま、段差を昇り降りするのは危険です。
車椅子を安全に操作できる自信がないかぎり、車椅子ユーザーの階段の昇り降りは介助しないでください。
活動
三人一組で協力して取り組んでください。一人が車椅子を使い、二人が介助します。
階段の昇り降りについて説明し、やって見せる際には:
- 必ず、介助者が介助に自信を持っており、また腰を痛めないように膝を曲げていることを確かめてください
- 車椅子の移動中には、必ず足を別々の段に置かせてバランスを保つようにしてください
車椅子へ/からの移乗方法
移乗方法には、以下の3種類があります:
- 座っている時
- 座りながらの移乗板を用いた移乗
- 立ち上がっての移乗
介助なしでは安全に立ち上がって移乗できない人は、座りながら移乗すべきです。
座っている時
- その人が腰を持ち上げられるか確かめてください
- 一回の持ち上げでの移乗が難しい場合、移乗板が有効です
- フットサポート (足台) やアームサポート (ひじ掛け) は、跳ね上げるか外すと、座りながらの移乗が楽になります

座りながらの移乗板を用いた移乗
移乗板は、介助がある場合にもない場合にも活用できます。
移乗板の安全な使用方法について、より詳しくはTAP移乗板モジュールで学んでください。


立ち上がっての移乗
- 本人が脚で体重を支えられることを確かめてください
- フットサポート (足台) を跳ね上げ、本人の足を接地させてください
- さらに介助が必要な場合は、もう一人が背後から腰を支えて介助できます


質問
本人の能力に合う移乗方法を選択してください。

ヴェルナを覚えていますか?
ヴェルナは89歳でフレイル (虚弱) です。レイフの介助があれば立ち上がれます。
ヴェルナに最適な移乗技法は次のどれでしょうか?
c を選択していれば正解です!
ヴェルナは、夫レイフの介助があれば立ち上がって移乗できます。移乗のために立ち上がれば、ヴェルナはより早く筋力がつきます。

a と b は誤りです。
ただし、ヴェルナまたはレイフが不安を感じる場合、ヴェルナは座りながら移乗すべきです。移乗板があれば、複数回の小さい持ち上がり動作で移乗できます。

ヤルスを覚えていますか?
ヤルスは23歳、地震で負傷した後、膝上と膝下を切断しました。ヤルスは若く体力があり、腰を持ち上げることができます。
ヤルスに最適な移乗技法はどれでしょうか?
aを選んでいれば正解です!
ヤルスは立てませんが、若くて体力があるため、腰を持ち上げ、座位のまま自力で移乗できます。
移乗技法を視聴し、車椅子ユーザー用情報リーフレットを参照してください。
移乗技法ごとに、動画を一時停止して練習してください。
活動
二人一組で、協力して取り組んでください。
- 各々の移乗技法のやり方を説明し、やって見せてください
- 本人に練習してもらってください
車両へ/からの移乗方法
車両に乗り降りする移乗には、複数の方法があります。車椅子の長期にわたる豊富な使用経験がある人は、これらの技法を教えられる場合があります。
準備
- 車両のドアをいっぱいに開けます
- シートをいちばん後ろまで引きます
- 車椅子をなるべく近くに寄せます
座る
- まず臀部を持ち上げ、車両シートに下ろします
- それから、両脚を持ち上げて車内に収めます
車両から出る移乗では、まず両脚を持ち上げて車外に出します。
移乗板を用いた車両移乗については、TAP移乗板モジュールで学んでください。


ピーターを覚えていますか?
ピーターには脊髄損傷があり、移乗の際に脚で身体を支えることができません。
ピーターは、車両へ/から移乗するために別の方法を用いています。
ピーターは、車両に乗る時、腕を使ってまず両足を車内に入れます。車両から降りる時、両足は最後に外へ出します。
介助を伴う立ち上がっての移乗
- まず、臀部を車両シートへ下ろします
- それから、本人が両脚を持ち上げて車内に収めるのを介助します
車両から出る移乗では、まず両脚を持ち上げて外に出すのを介助してください。


動画で、ライアンが車両の中へ移乗する様子を視聴してください。
TAP緊急時車椅子ユーザー用情報リーフレットを参照し、理解を深めてください。
活動
二人一組で、協力して取り組んでください。
- ひとりは、車両へ/からの移乗方法を説明し、やって見せてください
- もうひとりは練習してください
立ち上がっての移乗については、TAP 歩行支援用品モジュールで学びを深めてください。
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