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緊急事態

事前評価

レッスン: 2 (全6回)
トピック: 2 / 3
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このトピックでは、TAP緊急事態での車椅子事前評価フォームについて見ていきます。まだ用意していなければ、ダウンロードして印刷してください。

TAP緊急事態での車椅子事前評価フォームのページ1

TAP緊急事態での車椅子事前評価フォームのページ2

緊急時の車椅子供与において、事前評価は重要な最初のステップです。

事前評価の情報は、以下の計画を立てるのに役立ちます:

  • 本人に必要なのが、一時的車椅子か、長期的車椅子か
  • 本人に何を教えるべきか
  • 優先的なフォローアップが必要かどうか
  • 他のサービスへの紹介・相談

:左のアイコンがフォームに表示されていたら、それは本人を紹介・相談する必要がありうるという意味です。

本人といっしょに座る場所を見つけてください。事前評価フォームの質問を活用し、以下について把握してください:

  • 本人に、何か健康上の問題があるか
  • 車椅子への必要が一時的か、あるいは長期的か
  • 車椅子を使用したことがあるかどうか、またその車椅子はニーズを満たしていたかどうか
  • 本人の座る能力

これらの質問は、最適な車椅子を選択する目的であることを本人に説明してください

緊急時に、車椅子を使って何をする必要があるのか把握できるよう、本人および/または介助者の参画を得てください。

本人に関する情報

はじめは本人の連絡先、ジェンダー、年齢など、基本情報の収集です。

事前評価フォームの本人に関する項目。

緊急事態では、人びとの居場所は変わりうるため、携帯電話番号がフォローアップには不可欠です。もし本人にあれば、予備の連絡先番号も尋ねてください。

体重

本人の体重も記録する必要があります。本人が自分の体重を知らず、体重計もない場合は、推定値で構いません。

車椅子の取扱説明書に、最大ユーザー重量100kgの記載がある。

質問

なぜ本人の体重を記録することが重要なのでしょうか?




bを選んでいれば正解です!

本人の体重が重要な理由は、車椅子には、安全に支えられる最大重量制限があるからです。

a と c は誤りです。

事前評価インタビュー

事前評価フォームの、事前評価インタビューの項

既知の健康問題

事前評価フォームのこの部分を活用して、本人に既知の健康問題があるかどうか確認してください。

既知の健康問題は、車椅子を選択する指針として役立ちます。ただし、考慮すべき要素は他にもあります。

質問

ローマン少年が、枕に支えられてベッドに座っています。左腕は腕吊りにくるまれ、左下腿は創外固定器で支えられています。母親が近くに座っています。

ローマンを覚えていますか?

ローマンは10歳で、脚に重傷を負いました。腕も負傷しています。

脚には創外固定器を装着しており、ケガが治るまで体重をかけられません。

ローマンの健康問題として、どれを選びますか?

当てはまる答えをすべて選んでください。











aを選んでいれば正解です!

ローマンは骨折しており、これは一時的な負傷です。

また、治癒の補助として創外固定器を装着していることも記載すべきです。

ローマンの申請書の「一時的な負傷」欄の「骨折」ボックスにチェック、「その他」ボックスにはチェックが入り、横に「創外固定器」と記載されている。

不明な健康問題

健康上の問題があっても、その名称が分からない場合もあります。

重要なことは、その健康問題が、本人の移動性と座る能力にどう影響しているか把握することです。

既知の健康問題が事前評価 に記載され、「その他」にが赤枠で囲まれている。

歩く能力

以下を本人に尋ねてください:

  • 歩けますか?
  • 歩行支援用品を使って歩いても、長距離を歩くのは難しいですか?

以下のような場合があります:

  • 歩けず、すべての移動に車椅子を使っている
  • 歩行支援用品を用いれば歩けるが、長距離の歩行が難しい:
    • 屋外で
    • 大きい建物の中で

ヤルスは車椅子を使う若い男性です。左脚を膝上で、右脚を膝下で切断しています。

ヤルスに出会う

ヤルスは23歳、山間部に住んでいます。地震後の土砂崩れで両脚を押し潰されました。緊急手術で片脚を膝上で、もう片脚を膝下で切断しました。

今のところヤルスは歩けず、車椅子が必要です。

記入済みの「歩く能力」の項目で、ヤルスのフォームでは「歩けますか?」への回答が「いいえ」になっている。

高齢の女性カリが、歩行器を使用している。

カリに出会う

カリには関節炎があり、歩くとしばしば股関節と膝が痛みます。

カリは、屋内で短距離を歩くには歩行器を使います。

カリは、屋外での移動支援には車椅子を使っています。

カリは、折りたたんだ歩行器を背面に固定した車椅子に乗っている。
記入済みの、カリのフォームの歩く能力に関する項目。彼女は歩けて歩行支援用品を使っていますが、長距離を歩くのは困難を伴います。

車椅子の用途

車椅子の使用が有益であるためには、必要な車椅子が短期的使用のためなのか、長期的使用のためなのかを把握することが重要です。

質問

カリの屋外での歩行の困難は、短期的なものでしょうか、長期的なものでしょうか?



長期的が正解です!

カリの健康問題は継続的なもので、長期にわたる屋外での移動支援に車椅子を使用するのが有益でしょう。

記入済みのカリのフォーム。「車椅子の用途」欄で「長期間」を選択している。

車椅子を使用する青年、ヤルス。彼の右脚は膝下で切断されており、車椅子に取り付けられた断端支持板によって支えられている。

ヤルスを覚えていますか?

ヤルスは手術を受けたばかりで歩けません。車椅子が必要で、切断が治癒した後は義足を用いた歩行を学ぶ予定です。

ヤルスおよびリハビリテーションチームと協力し、ヤルスにとって短期用あるいは長期用の車椅子を使うことが有益かどうか、検討することが重要です。

質問

以下に述べる内容が正しいか誤りかを選びなさい。

1. 長距離移動の場合、ヤルスは車椅子を用いる方がエネルギー消費が少なく、より速い可能性があります。



「正しい」が正解です!

両脚切断の人は、義足で歩くには多くのエネルギーが必要です。多くの人は、短距離に義足、長距離に車椅子という併用を好みます。

2. ヤルスに長期にわたって車椅子を供与すると、彼の歩く意欲を損なうおそれがあります。



「誤り」が正解です!

車椅子を供与によって、歩く意欲が失われることはありません。自分の移動手段の選択を迷っている人には、仲間の四肢切断者やリハビリテーション専門職と相談するよう奨励してください。

片脚または両脚を切断した人には、長期的な移動支援の解決策が必要です。



「正しい」が正解です!

車椅子を選択する際には、本人の長期的なニーズを考慮してください。

長期用車椅子は、調整可能なものを供与してください。

使用環境

本人が車椅子をどこで、どのように使いたいのかを把握してください。

移動

質問:車椅子をどこで使いたいのですか?

  • 家の中
  • 周りの地域

事前評価フォームの「移動」の項目

人びとは車椅子を使いたいと望む場所には:

  • 自分の家の中、
  • 自分の周りの地域、
  • その両方などがあります。

移動への障壁

本人の環境が、車椅子での移動をより困難にしている可能性があります。

段差

可搬式スロープは、以下のような場所でアクセスを支援できます。

  • 家の入り口の段差
  • 家の中の段差

狭い戸口

車椅子の全幅は、戸口の幅より狭い必要があります。適切にフィッティングした (余分な幅がない) 車椅子が役立ちます。

荒れ地

道や路が荒れていて凹凸がある場合、荒れ地に適した車椅子が役立ちます。

車椅子を使用している男性が可搬式スロープをこぎ上がっていく。別の男性が押し手を握って介助している。

TAPでは、アクセス改善を目的とする、道路や建物の改変は取り上げていません。

移乗

質問:どこで車椅子へ/から乗り降りしますか?

  • ベッド
  • トイレ/シャワー/風呂
  • 車両

事前評価フォームの「移乗」の項目。

本人がどこで移乗するのかを確かめてください。

移乗する面どうしが同じ高さであれば、移乗がより楽になります。

移乗方法を教え、他の支援製品が役立つかどうか検討してください。

質問

1. ベッドが高すぎて移乗が難しい場合、どのような支援が考えられますか?

当てはまる答えをすべて選んでください。




aを選んでいれば正解です!

ベッド脚を切りつめると、ベッドの高さを下げることができ、移乗が楽になります。

b と c は誤りです。

ベッド脚の下へのブロックの追加は、ベッドが低すぎる場合に有効です。ベッドカバーは、高さにほとんど影響しないでしょう。

2. トイレへ/からの移乗をより楽にするのは、どの支援製品でしょうか?

当てはまる答えをすべて選んでください。





a、b、cを選んでいれば正解です!

移乗板は、車椅子からトイレへの移乗が一回の持ち上がりでは困難な人に役立ちます。

車椅子のアームサポート (ひじ掛け) を迂回して配置され、トイレへの移乗を可能にする湾曲形移乗板。手すりは、バランスを保つのが難しい人に役立ちます。

クッションとキャスター輪付きシャワー用椅子がしゃがみ式トイレの上に設置されている。壁には手すりが設けられている。トイレ用椅子は便座の高さを調整でき、移乗を楽にします。

バスローブを着たカリが、洋式トイレの上に設置されたトイレ用椅子のアームサポート (ひじ掛け) を使って腰を下ろしています。彼女の正面には歩行器があります。トイレがアクセスできない場合、人目に触れない場所に設置した移動式トイレ用椅子が役立ちます。

シート (座面)に切り欠きがあり、その下にバケツが取り付けられたクッション付き椅子。押し手と脚部のキャスター輪、フットサポート (足台) が付いている。

本人および/または介助者が移乗時に安心できない場合は、リハビリテーションサービスに紹介・相談してください。

環境をよりアクセスしやすくする方法について学ぶには、TAPトイレ・シャワー用椅子モジュールTAP可搬式スロープモジュール、 TAP移乗板モジュールを受講してください。

すでに車椅子を持っている人へ

質問:

  • その車椅子はあなたとあなたのニーズに合っていますか?
  • その車椅子は正しくフィッティングされていますか?
  • その車椅子は正常に機能していますか?

事前評価フォームの「すでに車椅子を持っている人へ」の項目。

本人がすでに車椅子を持っている場合は、その車椅子がニーズに適しているかどうか、質問して確かめてください。

適していなければ、新しい車椅子のための事前評価を行なうか、スペアパーツの提供または修理を検討すべきです。

健康状態と座る能力かんたんチェック

事前評価フォームの「健康状態と座る能力かんたんチェック」の項目。

適切な車椅子を選択する際には、本人に以下を追加する必要があるかどうか、確認することが重要です:

  • クッションに座った時の皮膚への保護
  • 車椅子に安全かつ快適に座るための支え

褥瘡 (じょくそう)

質問:身体 (腰、お尻、背中など) に褥瘡 (じょくそう) はありますか?

最初の質問が赤枠で囲まれた、事前評価フォームの褥瘡に関する項目。

車椅子と接触する身体部位に褥瘡がすでにある場合、これは重大な健康上の危険です。

車椅子に座っていることで悪化する可能性があるからです。

  •   本人を創傷ケアに紹介・相談してください
  • 褥瘡への圧迫を避けるよう、本人に助言してください

褥瘡が発生・悪化する危険

以下を質問し、本人に褥瘡の危険があるかどうか確かめてください:

  • 腰、お尻、背中が感じなくなって (感覚を失って) いませんか?
  • お尻から体重を移すのは難しいですか?
  • 以前に褥瘡がありましたか?

事前評価フォームの褥瘡に関する項目で、本人に褥瘡の危険があることを示す質問が赤枠で囲まれています。

褥瘡が発生・悪化する危険がある人は、誰かしらいるものです。褥瘡が発生・悪化する危険が少しでもある人には、除圧クッションを供与してください。

シート (座面)に、成形された除圧クッションを備えた車椅子。

レッスン4で、褥瘡の予防方法を教えることについて詳しく学びます。

質問

以下のうち、褥瘡が発生・悪化する危険があるのはどの人でしょうか?

当てはまる答えをすべて選んでください。




aとcを選んでいれば正解です!

ヴェルナはフレイル (虚弱) で、臀部から体重を逃すのが困難です。ピーターは腰と臀部の感覚を失っています。二人とも褥瘡の危険があるため、除圧クッションを供与すべきです。

b は誤りです。

ヤルスに褥瘡の危険はありません。感覚は完全で、動け、体位を変えられます。ヤルスは車椅子クッションを使うでしょう。

膀胱/腸の漏出

質問:尿や便の漏れで困っていますか?

事前評価フォームの「漏出」の項目。

膀胱や腸からの漏出があった場合、クッションが濡れたり汚れたりする可能性があります。

本人を、失禁の事前評価と、処置や管理に関する助言のために紹介・相談してください。

失禁ケア製品は、衣服や車椅子を保護するために役立ちます。また皮膚を保護し、悪臭を軽減することで、本人の尊厳と快適さの維持にも貢献します。

除圧クッションを二枚供与することを検討してください。そうすれば、一枚を洗濯・乾燥している間も、もう一枚を使用できます。

失禁について、さらに詳しくはTAPセルフケア支援製品モジュールで学んでください。

脚の支えの必要

質問:

次の目的で脚の支えが必要ですか:

  • 負傷後、脚の腫れを抑える
  • 負傷後、膝の屈曲を制限する
  • 膝下切断後、膝裏をまっすぐに保つ

事前評価フォームの「脚の支え」の項目。

ケガや手術の後、脚の支えは以下のような面で有益な場合があります:

  • 腫れを抑える
  • (負傷後) 膝の屈曲を制限する

車椅子に取り付けた脚部挙上機能が役立ちます。

膝下を切断した人も、膝裏への支えは以下のために有益な可能性があります:

  • 腫れを抑える
  • 膝裏を完全に動かせるように保つ

膝下を切断した人は、義足でうまく歩けることがたいへん重要です。

質問

ヤルスは車椅子を使う若い男性です。左脚を膝上で、右脚を膝下で切断しています。

ヤルスを覚えていますか?

ヤルスは23歳、地震で負傷したあと、膝上と膝下の切断手術を受けました。

ヤルスには、どのような脚の支えが有益でしょうか?






dとeを選んでいれば正解です!

ヤルスには、脚を支え、膝裏の完全な動きを保つため断端支持板が有益でしょう。膝上で切断した方は車椅子クッションが支えます。

車椅子を利用する青年ヤルス。左脚は膝上切断されており、断端支持板 支えられている。

脚部挙上機能や断端支持板が利用できない場合、移動時以外で脚を支えるには椅子を使えます。

左足の膝下を切断した男性が車椅子に座り、切断された脚を椅子に載せている。

車椅子の選択

利用可能な車椅子を本人に見せ、説明してください。

一時用と長期用の車椅子が用意されている場合は、本人に適した種類の車椅子を選択してください。

車椅子にはさまざまなサイズがあることを説明してください。

子どもには子ども用の車椅子が必要であることを忘れないでください。

車椅子の幅を選択する

車椅子の適切なサイズを確定するため、座幅を調べてください。

利用可能な車椅子の中から、本人に最適な幅を選択してください。

本人に、選択した車椅子への移乗方法を説明してください。

座幅を確認する

車椅子の適切な幅は、本人にぴったりフィットするものです:

  • 車椅子が大きすぎたら、より小さいサイズを選んでください
  • 車椅子が狭すぎたら、より大きいサイズを選んでください

車椅子に座る男性。女性が両手を彼の腰と椅子の側面の間に差し込んでいる。

動画を視聴し、適切な車椅子の幅を選択するやり方を確認してください。

活動

二人一組で、一人が車椅子に座り、もう一人がフィッティングを確認してください。

適切な幅の車椅子を選択してください。それから:

  • 幅を確認してください
  • 幅が適切でない場合は、別のサイズを選んでください

車椅子の適切なサイズを選ぶのは難しかったですか?

まっすぐに座る能力

質問:追加の支えなしで、安心して座れますか?

事前評価フォームの、「まっすぐに座る能力」の項目。

本人の健康、安全、快適さのために、まっすぐに座る能力を確認することは重要です。

まっすぐに座るのが難しいのは、以下のような場合です:

  • 横に倒れる
  • 前へ倒れる
  • シート (座面)上で前に滑る
  • 激しい制御できない運動のため、車椅子に座っているのが困難

本人が快適でない場合、または自分の腕で支えなければ座位を保つのが難しい場合は、より支えの大きい座位保持が必要となる可能性があります。この点は計画に記載してください。

本人に必要な、追加の支えを安全に供与できる専門知識と技能を持つ人がいる場合は、座位保持への紹介・相談を検討してください。

本人が安心できない場合、または車椅子から転落する危険がある場合、その車椅子を供与してはなりません。

車椅子を供与するのが安全ではないことを説明してください。連絡先を確保し、優先的なフォローアップの待機リストに登録してください。

質問

この車椅子に座っている人を見てください。

A girl sits in a wheelchair with her body falling to the side and leaning on the armrest. Her hips are sliding forward on the seat and her feet slide off the footrests.

以下の説明は正しいですか、それとも誤っていますか?

1. まっすぐに座っている。



「誤り」が正解です!

その人は片側に傾いています。

2. 腰、背中、肩がバックサポート (背もたれ) の中央に対して左右対称な座位である。



「誤り」が正解です!

その人は前に滑り、片側へ倒れています。腰、背中、肩はバックサポート (背もたれ) の中央から外れています。

3. 両足は、フットサポート (足台) にべったり着いて安定している。



「誤り」が正解です!

その人は前方に滑り、両足がフットサポート (足台) から滑り落ちています。

4. この人は、追加の支えなしでも快適または安全そうですか?



いいえが正解です!

この人は、追加の支えなしで座っていますが、快適でも安全でもなさそうです。まっすぐに座ることができず、がんばって身体を支えています。両足がフットサポート (足台) から滑り落ちています。

この車椅子を供与したら、そこから滑り出てしまうでしょう。

本人から許可を得たうえで、座位保持について紹介・相談してください。

それが不可能な場合には、車椅子の供与が安全ではないことを説明してください。連絡先情報を確保し、優先的なフォローアップの待機リストに登録してください。

座位保持のフォローアップについては、レッスン5でさらに学びます。