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足部スクリーニング

レッスン: 3 (全6回)
トピック: 2 / 5
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このトピックでは、足部創傷の危険が特定された人に、かんたんな足部スクリーニングを実施するやり方を学びます。

質問し、いくつかの簡易テストを実施することで、対象者の危険が低、中、高のいずれかを特定できます。

また、危険レベルに応じてやるべきことも学習します。

このトピックに取り組むさい、TAP移動支援製品スクリーニングフォームおよびTAP移動支援製品足部スクリーニングの手引きのコピーが手元にあると役立ちます。

フォームの足部スクリーニング部分

足部スクリーニングは、以下を見定めるのに役立ちます:

  • 危険のサイン − 足部創傷の危険を高めるもの
  • 高い危険のサイン − 足部創傷が起こる危険を著しく高めるもの

「危険のサイン」と「高い危険のサイン」との数で、本人の足部創傷の危険が総合的に示されます。

活動

TAP移動性スクリーニングフォームの第3項を見てください。右列にチェック欄が6つあり、うち1つが「高い危険のサイン」、残りの5つが「危険のサイン」と表示されています。

「高い危険のサイン」は以下のどれですか?




すべてチェックしていたら正解です。これらはすべて高い危険のサインです。

「危険のサイン」は以下のどれですか?




すべてチェックしていたら正解です。これらはすべて危険のサインです。

それでは、足部スクリーニングのプロセスを進めていきましょう。

注意: 足部スクリーニング実施の前後には、必ず手を石けんで洗って乾かしてください。本人に開いた傷口がある場合や、皮膚の疾患や感染が考えられる場合は、手袋を着用してください。

本人の足を観察する

本人には靴と靴下を脱いでもらってください。足をよく観察したい旨を説明してください。

左右の足の甲と足の裏、および足指の間を必ず観察してください。

男性が病院のベッドに腰掛け、脚を前に伸ばし、靴を脱いでいる。サービス供与者はベッドの端に座り、その男性の足を検査している。

現在および過去の創傷や下肢の切断は、新たな創傷が発生する可能性を高めます。これらは高い危険のサインです。

以前に足部創傷があった場合または足指、足、下肢の切断がある場合は、スクリーニングフォームの該当するチェック欄に印を付けてください。

本人の足指、足、脚に創傷や損傷は (現在) ありますか?

A wound in a toe revealing pink flesh and surrounded by cracked skin.

どちらかの足が発赤し、熱を持ち、または腫れていますか?

左足が右足よりも大きく、赤みを帯びている。

発赤、熱感、腫れはすべて、感染および/または他の深刻な状態にある可能性のサインです。これらはすべて、高い危険のサインです。

皮膚/爪に何らかの問題、または足/足指に異常な形状は見られますか?

皮膚や爪の問題は、足部創傷が発生・悪化する危険を高める可能性があります。

皮膚や爪の問題のよくある例には、厚いかひび割れ、角質化した皮膚、水疱、長すぎるか形が異常な爪などがあります。

これらはすべて危険のサインです。

次の活動は、皮膚や爪の問題に伴う危険のサインを見つける練習に役立ちます。

活動

下の写真の足で、どれに「皮膚や爪の問題」があると考えられますか?

足の裏。皮膚は滑らかで、傷がなく、均一な色をしている。



この足は健康です。

足の裏。足の裏と指先の皮膚が変色し、厚く硬くなっている。



この足には皮膚の問題があります。皮膚の分厚くなった部分はタコと呼ばれ足部創傷の危険のサインです。

足の裏。かかとの皮膚はひび割れて乾燥している。



この足には皮膚の問題があります。かかとの皮膚のひび割れ部分は、損傷に至る可能性があります。これは足部創傷の危険のサインです。

足の形状が変化すると、足の一部にかかる圧力が増える可能性があります。これは足部創傷の危険を高めます。

足の形状が変化する問題のよくある例には外反母趾 (足親指付け根の骨の隆起)、鉤状趾、ハンマー趾などがあります。

足の形状の変化は危険のサインになり得ます。

次の活動は、足の形状の変化に伴う危険のサインを見つける練習に役立ちます。

活動

下の写真の足で、どれが健康そうで、どれに鉤状趾その他の足や足指の異状の問題がありますか?

親指の付け根にこぶのある足。親指は他の指に向かって内側に曲がっている。



この足には外反母趾 (足親指付け根の骨の隆起) があります。足親指も他の指に向い内側に変位しています。これによって足幅が広がり、靴と擦れやすくなります。これは足部創傷につながる可能性があります。

足の指が丸まり、爪は黒ずんで黄色く赤く、指の関節は腫れている。



この足には、以下の複数の問題があります:

  • 鉤状趾
  • 外反母趾
  • 爪の問題

鉤状趾は足指先端への圧力を増大させます。快適にフィットする靴を見つけることも難しくなります。

この写真では、靴と擦れて足小指の背の皮膚が発赤していることが分かります。

外反母趾により、足親指の関節が靴と擦れることがあります。

爪の問題は、足指への圧力を増加させる可能性があります。

これらはすべて、足部創傷の危険のサインです。

一対の足、皮膚は滑らかで傷一つなく、指はまっすぐで腫れや変色は見られない。



この足は健康です。

血流のチェック

血流が低下している人には、足部創傷が発生・悪化する危険が高くなります。また、足部創傷の治癒に、より時間を要する可能性も高くなります。

この足部スクリーニングでは、以下4通りの足の血流チェックを用意しています:

  • 身体的サインの観察
  • 本人に、脚の後ろ側に痛みがあるかどうか尋ねる
  • 脈拍テストの実施
  • 血行回復テストの実施

本人の足を観察してください:

以下の、血流不全のサインが見られますか:

  • 足首または足の腫れ
  • 足や足指に体毛がない
  • 冷たい、または青ざめた足

これらはすべて血流不全を知らせる、危険のサインです。

以下を本人に尋ねてください:

脚の後ろ側に痛みが出ますか:

  • 夜間、および/または
  • 歩いて200m行かないうちに

人によっては脚の後ろ側に痛みやけいれんが出る場合があり、これは血流不全のサインの可能性があります。

これは夜間、および/または短い距離 (200m未満) を歩く間に悪化しがちです。

脈拍テストの実施

足の良好な血流は、手首や首で脈が感じられるのと同じく「脈拍」として感じられます。

活動

自分の、あるいは友人や同僚の脈拍を見つけてみましょう。

2本の指で (親指は使わないこと) 以下のものを探してください:

男は人差し指と中指を首の、顎の近くに当てている。
首の脈拍
人差し指と中指を、手のひらのすぐ上の手首に当てている。
手首の脈拍

脈拍テスト:

左右の足で脈が感じられますか?

足で脈が感じられる主な2か所は:

  • 足の甲
  • 内側のくるぶしの後ろ

足の甲にある小さな領域を足首の脈と呼び、くるぶしの骨の後ろにある領域をくるぶしの脈と呼ぶ。

良好な血流を確かめるには、両足とも、これら二通りの脈が楽に感じられる必要があります。

脈を取る際には必ず人差し指と中指を使い、親指は使わないでください。

脈が感じられないのは危険のサインです。

質問

なぜ親指ではなく、人差し指と中指で脈を取るべきなのでしょうか?

親指で脈を取ってはいけません。なぜなら親指じたいに脈拍があるからです。

この動画を視聴し、脈拍テストのやり方を確認してください。

活動

足の脈拍を主要な2か所で見つける練習をしてください。

まず自分自身に試み、それから2人以上にテストしてください。

脈拍を見つけるには、指を少し動かしてみる必要があるかもしれません。

血行回復テストの実施

血流不全のもう一つのサインは、皮膚を圧迫したあと、自然な色に戻るまでに3秒以上かかる場合です。

血行回復テスト:

  1. 左右の足親指先を強く圧迫してください
  2. 足指の色が通常に戻る (血行が回復する) までの秒数を数えてください
  3. 血行回復までの時間が、3秒より多いか少ないかに注目してください

活動

指で手を強く圧迫してから離してください。皮膚の色が少しのあいだ変わり (青白くなり)、それから元の色に戻ることに気づくでしょう。

この色の変化は、圧迫した部位の血流が一時的に遮断されたためです。

血流が良好な場合、圧迫から解放されると、皮膚は3秒以内に血液が「補充」されます。それによって皮膚の色が正常に戻ります。

足がどれほど速やかに「血行回復」する (通常の皮膚の色に戻る) か試すには、足親指を強く押してみてください。

それから離し、足指が通常の色に戻るまで何秒かかるか数えてください。

どちらかの足指で3秒超かかる場合、これは危険のサインです。

この動画を視聴し、血行回復テストのやり方を確認してください。

活動

血行回復テストを練習しましょう。

まず自分自身に試み、それから2人以上にテストしてください。

感覚のチェック

この足部スクリーニングでは、以下2通りの足の感覚チェックを用意しています:

  • 足に何か感じないか尋ねる
  • 足の感覚をテストする

留意すること:感覚障害がある人には、足部創傷が発生・悪化する危険があります。

以下を本人に尋ねてください:

足や足指に異常な感覚や痛みがありますか?

足は、以下のようなさまざまな異常な感覚に襲われることがあります:

  • チクチクする (ピンや針で刺されるような感覚)
  • しびれ (感覚がない)
  • 刺すような鋭い痛み
  • ヒリヒリした感じ (灼熱感)

異常な感覚があるか尋ねる際には、「異常な感覚」とはどんなものか理解してもらうため、上の例を示してください。

感覚テストの実施

感覚テストとは:

本人が両眼を閉じた状態で、指またはモノフィラメントを用い、左右の足の親指、中指、小指の先端にそれぞれ触れる。動画で示された順序に従い、左右の足に交互に触れる。

  • 感覚がある足指にはチェック (✓) を付ける
  • 感覚がない足指にはクロス (X) を付ける

活動

スクリーニングフォームを見てください。左右の足の絵で、足指に番号が振られていることに注目してください。

これは、感覚テストを行なう足指の順序を示しています。

自分自身で練習し、フォームに示された順序で、左右の足の親指、中指、小指に触れてください。

感覚テストの実施は、以下の手順に従ってください:

  1. 本人に目を閉じてもらう
  2. これから足指に触れることを説明する。触れたと感じたら、それを知らせてもらうようにする
  3. 左右の足の親指、中指。小指の先端を人差し指で触れる。あればモノフィラメントを用いてもよい
  4. 軽く一度だけ、1秒間触れる
  5. 指から指の間は2、3秒置き、本人が返答する時間を確保する
  6. 本人が何も言わなければ、触れたことを感じていない。次の指へ移る
  7. 本人に感覚がある足指にはチェック (✓) を、感覚がない足指にはクロス (X) をを記入する

本人が、触れたことを複数の足指で感じない場合、これは危険のサインです。

この動画を視聴し、感覚テストのやり方を確認してください。

では、この動画を視聴し、足部スクリーニング全体が実施される様子を確認してください。

本人の足部創傷の危険を総括

本人の足部創傷リスクを総括 (チェック (✓) を付けた、危険および高い危険のサインを数える) しましょう。

フォームの「足部創傷の危険 」の項を総括する。

足部スクリーニング全体で、チェック (✓) を付けた危険のサインおよび高い危険のサインの数を数えてください。

チェック (✓) の数を基に上の表を完成させ、本人の足部創傷の危険程度が低、中、高のどれか評価してください。

低度の危険がある人は、足のケア方法や適切な靴について教えることで支援してください。

中等度または高度の危険がある人は、さらなる事前評価と治療のため、医療機関または足部創傷専門クリニックへ紹介・相談されることが重要です。

また、次のことも可能です:

  • 足のケア方法について教える
  • 治療靴が適しているか事前評価する

活動

この活動を完了するには、移動支援製品スクリーニングフォームが1部必要です。

イェンセンを覚えていますか?

イェンセンが左手に歩行杖を持って立っている。

かれは60歳で糖尿病があります。

足部スクリーニングを実施した結果、以下のことが判明しました。

  • イェンセンは以前、足部創傷を負ったことがある
  • 足の裏に、たこのような厚い皮膚がある
  • 夜になるとふくらはぎの後ろが痛むと言っている
  • 両足とも脈が感じられない
  • 6本の指に触れたうち、3本しか感じられなかった

イェンセンの移動支援製品スクリーニングフォームの、足部スクリーニングの項目を記入してください。

では、下記をクリックしてフォームを正しく入力できたか確認してください。

高い危険および危険のチェック (✓) を数え、イェンセンの危険程度を算出してください。

イェンセンが再び足部創傷を負う危険はどの程度でしょうか?




TAP移動支援製品スクリーニングフォームの要約表は、イェンセンには危険のサインが3つと高い危険のサインが1つあり足部創傷の危険が高いことを示しています。

イェンセンには、高い危険のサインが1つ (以前の足部創傷)と、危険のサインが4つ (皮膚の問題、血流不全のサイン2つ、感覚がない)あります。かれは高度な危険の範疇に入ります。

彼の計画には、以下を含めるべきです:

  • 糖尿病管理のために医療サービスを受けているか確認する
  • イェンセンに足のケア方法を教える
  • イェンセンに治療靴の事前評価を行なう